奥秩父
一之瀬川竜喰谷
2022年5月22日
メンバー 小松丈輔、堤弘美、筒井多喜子
上越方面に山菜採りを兼ねた山行を計画していたが天気が芳しくなく、転進で竜喰谷へ。関東は昼前から青空になるという。
一之瀬林道は奥多摩側の入口からの通行止めが続いていて、ならばと勝沼〜塩山〜柳沢峠〜落合橋経由で三ノ瀬～石楠花橋とアプローチ。すでに2台の車が停まっていた。先行者ありのようだ。橋脇から入渓し一之瀬川本流を少し下降。ナイアガラ風の幅広滝の脇をクライムダウンすれば竜喰谷出合いである。
竜喰谷は遡下降合わせて4回目になるが、何度来ても美しさが新鮮。特にこの時期がイイネ！見上げれば陽光を浴びた新緑が眩しく、その光が暗い渓に掛かる滝の水飛沫に反射して素晴らしいコントラストを創っている。5ｍの幅広滝は少しシャワーを浴びて右から登る。精錬場の滝は左岸から、下駄小屋の滝は右岸から巻き道を使った。昨日までの雨で水量が多い。曲り滝では先行パーティがザイルを引いて右壁を登攀中。上段で苦戦している様子。我々は右岸を巻くことにする。鹿道らしき踏み跡はあるが、小尾根まで登って大高巻き。うまいこと落ち口に降りられ、滝を登ってきたパーティと合流した。「出だしホールドが遠いけど登攀自体は難しくはなかった」「カムが外れなくて大変だったー」との事。少しお話。神奈川の山岳会2パーティの合同山行で計8名の大所帯だそうだ。
曲り滝までが竜喰谷の核心。後半は釜を持った小滝やナメ床が連なる流れに時折4～6ｍ位の滝がアクセントのように現れる。お昼ゴハン休憩を含め、後半約3時間の遡行は楽しく遡る。若干凡長さを感じ疲れてきた頃、木橋が現れ大常木林道に到着した。先行パーティ8名もここで脱渓のようで、橋を渡って下山を始めるところだった。
竜喰谷からの大常木林道は10年前とはうって変わって整備が行き届いていてビックリ！マウンテンバイクなら余裕で走れるれっきとした道で、「ムジナの巣」辺りで合流する将監峠からの登山道に至ってはほぼ車道といってもいい程の立派な道となっていた。小1時間で三ノ瀬に降りられた。さらに林道を30分程で石楠花橋に停めてあるクルマに到着した。いつもなら苦痛の林道歩きも、なぜかここでは癒やしを覚えた。一ノ瀬高原の乾いたそよ風、新緑の森から春蝉の鳴き声…「また来てもいいなぁ」と思ってしまう。全てを含めて、竜喰谷って素敵な渓です。（記.小松）
◇コースタイム 石南花橋発9:30〜竜喰谷出合い9:45〜下駄小屋の滝10:45～曲り滝11:40〜1380m二又(昼食休憩)13:10〜1480m二又14:10〜楯ノ沢14:25〜大常木林道の木橋14:30〜三丿瀬15:28〜石南花橋駐車地点16:05
◇地形図 「柳沢峠」「雁坂峠」