山行期間    平成24年10月20日(土)〜21日(日)

山域/目的地  帝釈山脈・実川硫黄沢

参加者     西嶋(リーダー)・満田・宮下(お試し会員外)・猪俣(記録)

 

記録

 前夜、南浦和のレンタカーに21時集合する。東北道を西那須野塩原ICで降り、会津東街道から352号線で道の駅番屋に着いたのは0時半だった。今年一番という冷え込みの中、東屋の中のテントで軽く一杯というとやはり1時半になってようやく仮眠となる。

 よく朝、起きたときには、駐車場はすでにもぬけの殻で驚いた。やはり好天紅葉の尾瀬人気かと思っていたら、沼田街道へと左折して原因が判明する。この日は伊南川100kmウルトラ遠足というイベントが実施され、伊南小学校を5時スタートした233人のランナーが競っていたのだ。足腰痛めている自分には縁のないマラソン人気を改めて実感する。

 七入駐車場手前の橋を渡らずに、左折する実川沿いの林道に入る。林道としては路面は悪くないが、車高の低い新車のレンタカーなのではらはらしながら進む。矢櫃沢を渡った先の広場から真新しい砂防ダムが見えて、どうやらここまでは工事用車のために整備されたことがわかった。この先は手が入っていないようなのでここから歩くことにした。

 林道を進むと予想通り徐々に路面は荒れてくるが歩くのにはまったく問題がない。およそ1時間半で林道の終点広場に着いた。ここから踏み跡で沢に降りて遡行開始となる。すぐに堰堤風の3m滝があり左を巻く。上がったところからナメとなり期待が高まる。ナメがずっと続くのかと思ったら、すぐに両岸が立ってきてゴルジェの様相となる。先を偵察すると泳ぎになるとのこと。夏ならば当然GOだが、この時期には濡れたくないとの合意で巻きと決まる。なるべく小さく巻きたいとルートを探すが、どうやら地図上の逆コノ字形はすべてゴルジェの模様で高みへ追い上げられる。すると、赤布と踏み跡を発見して、これは巻きのルートかとしばし辿る。ところが、尾根をどんどん高度を上げて進むばかりで沢から離れてしまう、どうやら七兵衛田代へ向っているようだ。地図を再検討した結果、入渓点から逆コノ字をショートカットで硫黄沢に入る尾根越えルートに決める。上っていた尾根をそのまま下るとあっと言う間に振り出しの広場に戻れた。およそ1時間半のロスだった。

 再スタートで再び沢に降り立ち、すぐ対岸の細い滝となっている沢に向かう。

滝は登れないので右手の草付きの急斜面を上って樹が出てきたところでトラバースして沢に降りる。ボサ沢をつめて尾根を乗っ越すと1時間ほどでもくろみ通り硫黄沢へ降り立った。

 名前どおり、水は少し濁っていた。口に含むと確かに飲料には適さない味だ。10分ほど歩くとすぐに二俣となり右へ進む。緩やかに小滝を越えて進む。1680m付近に階段状10m滝があった。昨夏の豪雨か先日の台風の影響なのか倒木が多く乗り越えながら進む。1780mの二俣で14時半となりそろそろ幕場をと探しながら進む。1850mを過ぎて等高線が緩んだあたりにようやくなんとか張れそうな場所を見つけた。なんとか焚き火をつけてはみたが、気温が低くなかなか暖まらないので早々にテントへと潜り込む。テントは極楽でお決まりの宴会は夜更けまで続いた。笹を敷いての修正が効いてなかなか快適な一夜となる。

 二日目も好天に明けた。幕場から10分で地図上にある湿原へ飛び出す。小さいが草もみじの湿原はやはりいい。そこから広い尾根を花沼湿原をめざしてまっすぐに上って行くと、30分ほどでパッと視界が開け広い花沼湿原に飛び出した。正面の高みには黒々とした岩峰の黒岩山が聳えている。数年前に縦走したときを思い出した。ふかふかの湿原にそろりそろりと足を踏み入れる。池塘に映る青空がきれいだ。南端の藪の中に木に打ち付けられた山名プレートを見つけた。風が強くなってきて雲がすごい勢いで流れていく。天気は下り坂のようだ。長居はできないと腰をあげる。

当初予定の赤安田代を回るのは諦め、硫黄沢左俣を下るつもりが、右俣のボサ加減で嫌気がさし、左俣右岸尾根で一気に下ろうと話がまとまった。北東端には大きな池がありその淵をまわって下山にかかる。真北にルートをとり広い尾根を下る。一旦、左俣に降りて1880mピークに上り返し、左側に沢を見ながら下って行く。途中少し上るところもあるが藪もひどくなく末端で小沢に出てほどなく硫黄沢に合流した。往路を逆にたどって小尾根を乗越し実川本流に戻る。ぱらぱらと雨がちらついたので、追い立てられるように林道を歩くと、往路では目に入らなかった燃えるような赤い紅葉に声を上げる。やはり下りは早く1時間で駐車地点に戻れた。

「燧ノ湯」で一浴後、道の駅「番屋」の噂の蕎麦で打ち上げ帰京した。

 

 矢櫃沢先駐車地点8:17−林道終点9:40~9:50−赤倉沢途中10:32−1580m引き返し地点11:07〜10−林道11:25−小尾根取りつき11:32−硫黄沢12:12〜38−二俣12:43−奥の二俣14:38−1870m幕場15:08(泊)8:05−小湿原8:15−花沼湿原8:44〜9:00−1880mピーク9:50−硫黄沢11:18―小尾根上り返し地点11:35−小尾根越実川本流12:14−林道終点12:28〜38―駐車地点13:38

 

 

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