南会津
七ケ岳〜黒岩山（絶望的中退・感想文）
２０１１年２月１１日〜１３日
下野善令、クマチ、西嶋敏也
♪ハンマーが振り降ろされる 僕達の頭の上に
ハンマーが振り降ろされる 世界中いたるところで♪
夕方の冷たい風が吹く中、ボクの頭の中で激しく鳴っているのはこの曲だった。
バスでたかつえスキー場に着く。リフトに乗ろうと思い料金を聞いてみて驚いた。回数券でも３０００円以上するのだ。１基毎に料金を払ってリフトには乗れないとの事。おまけにダメ押しで「スキーを履いてないと乗れませんよ」ときた。ボクはここ以外に苗場のスキー場しか知らないが苗場のスキー場は１基毎にお金を払えば乗せてくれた。もちろんスキーなんか履いていなくとも乗せてくれたのだ。もうすでにここで少し心が折れてしまった。計画のつめの甘さに２人には申し訳なく思った。仕方ないので、歩いて登ることにする。
除雪されている林道とゲレンデの端を使って登っていく。やっとの思いで第２リフトまで来た。もしかしてと思い、リフト管理のおじさんに
「途中からリフトには乗せてもらえませんか〜」と聞くと
「ダメダメ。あんた達、登山か？ま、ゲレンデの隅を歩いていくといいよ。テントを張るんならゲレンデの外に出てくれよ」と、やっぱりダメかと思いながら更に登っていく。
何時間かかっただろうか？やっとゲレンデトップに辿り着く。地図と磁石で確認し、ゲレンデコースで少し下がった所からロープをくぐりゲレンデの外へ。すごい雪だ。それに全然締まっていない。七ケ岳もガスで見えたり見えなかったりだ。時間も時間なので幕場を探す。電波塔の施設がありその周辺に決めかけている時、いきなり人の声が。
「こんにちは〜。ゲレンデの最終点検できたんですけど電波塔の関係の方ですか〜？」と、どうやらパトロール隊員らしい。
「違います。」
「一般の方ですか？どちらに行かれるのですか？」
「七ケ岳ですけど・・・。」
「許可はとっているのですか？」
「は？許可？・・・とってませんけど・・・。家族だって行先は知っているし、山岳会の人間だって知っていますよ。」
「すみませんけど、一応ゲレンデ長と無線で話してもらえませんか？」
「別にかまいませんけど・・・。」
その後、名前と電話番号を聞かれ、下山後は事務局に連絡を入れるように指導された。
「ご心配かけます〜。気を付けて幕営したいとおもいま〜す」それで、事はなんとか終息した。
しかし、ボクの心の中ではふつふつと怒りが沸いていたのだ。条例があるわけでもないのに「登山をするのに許可がいるのかよ！高尾山に登っている数万人の何人が誰かに許可をもらって登っているのかよ！？ゲレンデの外に出ろと言ったのはそちらさんでしょ？ゲレンデ内を通ったのがいけないのか？だったらゲレンデの所にある「七ケ岳登山口」の看板を外せ！てめ〜、登山者をなめてんのか？」ボクは一生懸命この心に水をかけ、鎮火させたのだ。管理された遊びしか知らない人達に何を言っても無駄だ。
ボクはまた一つ大人になりました。正論も言えないダメな大人になっちゃいました。どうしようもない大人になりました。ボクは本当にくそ野郎です。
なにもかもぶっ飛んで「もう酒を飲んで明日帰ろう〜」
七ケ岳・・・。ごめんね。また別の方法で来るよ。その時は笑って話を聞いてくれよ。