谷川連峰
笹穴沢（感想文：記録ではありません）
２０１０年９月４日〜５日
高橋栄、Ｋ・Ｎ、ガク、園田修、西嶋敏也
４日 遡行時間が永いから余裕を持たそうと、この日に少し沢に入りこむことにした。林道をいい時間歩き、うんざりする頃、笹穴沢への下降点、沢に降りてのんびり歩き、適当な所で幕にした。
薪は豊富で良く燃えた。酒も廻ってきた頃にボクはまた暴言を吐いてしまった。
「本当は笹穴沢には来たくなかった」しまったと思ったが、もう口から出てしまっていた。みんなガッカリしてしまった。ボクには嫌な予感がずっと付きまとっていた。前に来た時もあんなに時間がかかった。そのため今回は沢に泊まっているわけだが、その不安は払拭できないでいた。でも、みんなを傷つけてしまったことは確かだ。ボクは一人でいた方が良いのかもしれない。ボクはやはりトリックスターなのだ。
「百名山のピークハンター」の話にもなったが、どうもみんなとは話が合わない。ここで書くと一方的になり卑怯なのでそれは止めておく。でも「登山」というものを取り違えないで欲しい。
５日 早めに起きて、遡行準備。本来はボクがトップで歩かなくてならないのかもしれないが（？）、高橋さんにトップをお願いする。ボクはトップで歩くのが恐かったのだ。「時間」や「技術」のレベルがボクの頭の中では実力より上だったからだ。ボクは「ずる」をした。逃げたのだ。
二俣を迎える頃、「不安」は大きくなってくる。お昼を迎える頃には、「不安」に押しつぶされそうだった。「時間との競争だ」とポツリと誰かに言ったが誰かに聞こえたのだろうか？８ｍハング滝を越えた時、地形図を見てボクは全てをあきらめた。あきらめると気は楽になるものだ。日暮れが先か？沢を抜けるのが先か？稜線は遥か彼方だ。
闇の中、旧トラバース道に出る。ボクはもう歩きたくなかった。
誰かその砂時計を逆さにしてくれないか？
（記：西嶋敏也）
タイム ４日 ゲート14：25−入渓点15：35−幕場（標高860ｍ付近）16：35 ５日 幕場7：30−金山沢出合8：51−二俣10：40−旧トラバース道19：30
地形図 三国峠